名探偵コナン、心に残る原作名シーンセレクション
長く続く物語には、事件の謎解きそのものとは別に、読者の記憶に焼き付いて離れない「あの場面」があります。今回は原作のコマ単位で語り継がれるような名シーンを、原作(単行本)の掲載順に集めました。エピソード全体の見どころというより、その中のワンシーン・ワンセリフに焦点を当てています。アニメの話数は参考情報として添えています。
※単一の情報源でしか確認できなかったセリフ・場面には「(要確認)」と付記しています。公開前に原作コミックスでの最終確認をおすすめします。
1巻File1「変貌の瞬間」/「江戸川コナン」命名シーン
黒ずくめの男に毒薬(APTX4869)を飲まされ工藤新一がコナンの姿に変わる場面、そして蘭に名前を聞かれた新一が本棚のコナン・ドイルと江戸川乱歩の名を組み合わせてとっさに名乗る場面。シリーズ全体の起点となる、最も引用される名場面です。
原作: 1巻File1 | アニメ: #1(1996-01-08)
5巻File6「カラオケボックス殺人事件」
事件解決後、新一の家(コナンとして過ごす自宅)で蘭がセーターを受け取る場面が見どころです。何気ない贈り物のやり取りの中に、新一と蘭の距離感がにじむ一幕です。
原作: 5巻File6 | アニメ: #42(1996-12-16)
7巻File2「ピアノソナタ『月光』殺人事件」
犯人・浅井成実を推理で追い詰めた末に自殺させてしまう、コナンにとってのトラウマ回として語られます。後年の名セリフ「犯人を推理で追い詰めて、みすみす自殺させちまう探偵は…殺人者とかわんねーよ」(原作16巻)の原点になった事件とされています。
原作: 7巻File2 | アニメ: #11(1996-04-08)
7巻File8「プロサッカー選手脅迫事件」
蘭に追いかけられたコナンが、阿笠博士の車を使って新一の影(シルエット)を作り出し、その影越しに新一として蘭と言葉を交わす場面が見どころです。姿を見せられないもどかしさの中で、それでも新一と蘭の距離を縮めようとする、シリーズ初期らしい一幕です。
原作: 7巻File8 | アニメ: #10(1996-03-11)
9巻File4「小五郎の同窓会殺人事件」
米花大学柔道部の同窓会で起きた事件。「バカ言え!あんなトリックを使えるのは、この中じゃ俺か刑事のお前だけだ」という小五郎の指摘が決め手になる、小五郎が刑事出身の知識で自力に真相へ迫る数少ない回です。
原作: 9巻File4 | アニメ: #27-28(1996-08-05〜08-12)
10巻File2「外交官殺人事件」
服部平次の初登場回。中国酒「白乾児(パイカル)」をコナンに飲ませたことがきっかけで、コナンが新一に戻る瞬間を平次が目撃してしまいます。この場面が、後に平次がコナン=新一だと気づく発端になります。
原作: 10巻File2 | アニメ: #48-49(1997-02-17〜02-24)
12巻File7「ホームズ・フリーク殺人事件」
麻酔銃で眠らされた平次に成り代わってコナンが推理を披露しますが、実は平次は途中で目覚めており、推理の組み立て方から確信。事件解決後に「おまえ工藤やろ?」と直接問い詰める、平次が初めてコナン=新一に気づく重要な転換点です。以後、平次はコナンを「工藤」と呼ぶようになります。
原作: 12巻File7 | アニメ: #57-58(1997-05-05〜05-12)
14巻File1「追いつめられた名探偵! 連続2大殺人事件」
コナンの推理の鋭さに蘭が正体への疑念を強め、危機的状況に陥る回です。阿笠博士が蝶ネクタイ型変声機で新一の声を使い、新一とコナンが同時に電話しているように見せかけるトリックで蘭の疑いをそらす場面が、シリーズ初期の「正体バレ危機」回として語られます。
原作: 14巻File1 | アニメ: #96(1998-03-23)
16巻File6「コナンVS怪盗キッド」
初対面での応酬が名場面として語られます。キッド「怪盗は鮮やかに獲物を盗み出す創造的な芸術家だが、探偵はその後を見て難癖つけるただの批評家に過ぎねーんだぜ」、コナン「優れた芸術家の殆どは死んでから名を馳せる。お前を巨匠にしてやるよ怪盗キッド。監獄という墓場に入れてな…!」(要確認)。以降ずっと続くレギュラーライバルの誕生の瞬間です。
原作: 16巻File6 | アニメ: #76(1997-09-22)
18巻File6「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」
灰原哀の初登場回。事件解決後、コナンが灰原を家まで送る帰り道、灰原が組織の存在をほのめかす言葉を口にするラストシーンが名場面として語られます。
原作: 18巻File6 | アニメ: #129(1999-01-04)
19巻File5「浪花の連続殺人事件」
遠山和葉の初登場回。平次から預けられたお守り(幼少期に平次と手錠で繋がれていた際の鎖の一部が入っている)が、凶器からコナンを守る場面が「友情のお守りが命を救う」名場面として語られます。
原作: 19巻File5 | アニメ: #118(1998-09-21)
21巻File4「空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件」
新一の探偵デビュー事件の回想です。事件そのものより、機内での新一・蘭のやり取り(蘭の寝顔を見て新一が内心動揺する場面、勝手に席を立った新一を蘭が心配する場面など)が、新一蘭カップルの原点として名場面扱いされています。
原作: 21巻File4 | アニメ: #162(1999-09-27)
23巻File4「二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件」
遭難時に蘭が「お願いだから…一人にしないで…」とコナンに漏らす、蘭の人間味が出る場面が名場面として語られます。また海に転落し救出された平次が和葉のお守りを見て「ホンマ、効くんか効かへんのか…わかんなぁ…」と呟く場面も、平次×和葉フラグとして言及されます。
原作: 23巻File4 | アニメ: #174(2000-01-03)
24巻File7「黒の組織との再会」
コナンがジンの愛車(ポルシェ356A)に盗聴器を仕掛ける展開、シャンデリアによる政治家暗殺と並んで、灰原が一時的に解毒剤で「宮野志保」の大人の姿に戻る初めてのシーンが最も引用されます。ベルモット初登場回でもあります。
原作: 24巻File7 | アニメ: #176-178(2000-01-17〜01-31)
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25巻File9「命がけの復活」
文化祭に合わせて新一が一時的に元の姿へ戻り、蘭たちと再会した後、またコナンの姿へと戻っていく——その一連の変化が見どころの長編アークです。束の間だけ取り戻した新一としての時間と、再びコナンに戻らざるを得ない切なさが対比的に描かれます。
原作: 25巻File9 | アニメ: #188-193(2000-05-01〜06-05)
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28巻File6「そして人魚はいなくなった」
崖から落ちかけた平次を、和葉が持っていたジュゴンの矢で自らの手を傷つけながらも身を挺してかばい、平次が「動くな和葉…動いたら…殺すぞ…」と決して手を離さない場面が最大の名場面です。「命には限りがあるから大事なんや…限りがあるからがんばれるんやで…」という平次の台詞も、この回のテーマ的な決め台詞として引用されます。
原作: 28巻File6 | アニメ: #222-224(2001-01-29〜02-12)
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28巻File11〜29巻File2「封印された目暮の秘密」
目暮警部の20年前の未解決事件と、妻・目暮みどりとの馴れ初めが明かされる回です。かつて目暮が鈴木園子をかばって金属バットで頭を殴られる場面があり、その傷跡を隠すために目暮が普段からずっと帽子をかぶっている——という、シリーズを通しての目暮の帽子姿の由来が明かされる重要な一本でもあります。身勝手な逆恨みで人の命をもてあそんだ犯人に対する目暮の激昂「あんたの行為は息子さんのためでも、逆恨みですらない!独りよがりで何の意味も持たない、人の命を弄んだただの憂さ晴らしだ…それが分らんのか⁈」(要確認)も名場面として語られます。
原作: 28巻File11〜29巻File2 | アニメ: #217-218(2000-12-11〜12-18)
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29巻File3「謎めいた乗客」
赤井秀一の初登場回ですが、この時点では素性を隠した「マスクをした無口な乗客」として容疑者の一人に紛れ込むだけの静かな登場です。また、自分の運命から逃げようとする灰原を、コナンが「逃げるなよ灰原、自分の運命から逃げるんじゃねーぞ」と引き止める場面もこの回に登場し、複数の名言まとめ記事でも取り上げられる最も引用される名台詞です。派手なセリフよりも、後から振り返って重要性がわかる赤井の「無言の存在感」も併せて語り草になっています。
原作: 29巻File3 | アニメ: #230-231(2001-04-16〜04-23)
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29巻File9「大阪”3つのK”事件」
コナンの憧れのサッカー選手が、実は新聞記者の捏造記事に人生を壊された過去への復讐で殺人を犯していたと判明する回です。「たとえどんなにつらく悲しい事があったとしても…麻薬と殺人はやっちゃならねー反則(ファール)…みっともねーレッドカードだよ」と自首を促すコナンの台詞が、憧れの人物が犯人だったという苦さとともに語られます。
原作: 29巻File9 | アニメ: #238-239(2001-06-18〜06-25)
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30巻File4「集められた名探偵! 工藤新一vs怪盗キッド」
「黄昏の館」の晩餐会で名探偵たちが次々殺害されたように見えるものの、実は全員生存し血糊で犯人を欺いていたという反転劇が見どころです。この館の持ち主・烏丸蓮耶(半世紀前に謎の死)が、後の黒の組織関連の大きな伏線として初登場する回でもあります。
原作: 30巻File4 | アニメ: #219(2001-01-08)
33巻File3「バレンタインの真実」
学校から帰った蘭が、新一へ渡せなかった手作りチョコをバッグから取り出しじっと見つめて涙を流す場面、そして最後に新一から電話がかかり「(黙って)蘭の作ったチョコを食べた」と伝えられ、蘭が怒りながらも笑顔になる場面が、新一・蘭の片思いのもどかしさを描く名場面として語られます。
原作: 33巻File3 | アニメ: #266-268(2002-01-28〜02-11)
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34巻File5「迷宮のフーリガン」
味方チームから移籍した選手がサポーターからブーイングを浴びる姿に、灰原が組織を裏切った自分自身を重ねる回です。灰原がコナンに向けた「守ってくれるんでしょ?」という台詞が、灰原のコナンへの信頼を象徴する名言として語られます。
原作: 34巻File5 | アニメ: #279-280(2002-05-27〜06-03)
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34巻File11「工藤新一NYの事件」
崩れかけたビルから転落しかけた通り魔を蘭と新一が救う場面がクライマックスです。「人が人を殺す動機なんて知ったこっちゃねーが…人が人を助ける理由に…論理的な思考は存在しねーだろ?」という新一の台詞は、後年(原作71巻)でも回収される名台詞として知られています。
原作: 34巻File11 | アニメ: #286-288(2002-07-15〜07-29)
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36巻File8「揺れる警視庁 1200万人の人質」
松田陣平・萩原研二の爆発物処理班コンビ初登場回です。「人は死んだら、人の思い出の中でしか生きられないんですから、忘れちゃダメですよ」という高木のセリフが、後の警察学校編全体への長期伏線の起点として語られます。
原作: 36巻File8 | アニメ: #304(2003-01-06)
42巻File5「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」
ハロウィンパーティーの「犯人当てゲーム」で、コナンの依頼で新一に変装していた平次が「犯人」として指名されるというメタ的などんでん返しが名場面です。事件の真相は、ベルモットが灰原をコナンから引き離すために仕組んだ罠だったという展開も重要なポイントとして語られます。
原作: 42巻File5 | アニメ: #345(2004-01-05)
48巻File9「ブラックインパクト! 組織の手が届く瞬間」
赤井秀一が700ヤード以上離れた屋上から盗聴器を狙撃で破壊し、宿敵ジンに向けて呟く「やっと会えたな…愛しい愛しい愛しい宿敵(こいびと)さん…」という台詞が最も引用される名場面です。同時に、盗聴器越しに流れる「七つの子」のメロディで水無怜奈=キールの正体が発覚する場面も並んで語られます。
原作: 48巻File9 | アニメ: #425(2006-01-09)
56巻File10「赤と黒のクラッシュ」
クライマックスの「殉職」における、来葉峠でキールに額を撃たれ赤井が”死亡”する場面が最大の名場面です。事後、バーボン(安室)が解説する形で明かされる赤井の最期の呟き「まさかコナンがここまで読んでいたとはな」が、単なる末期の言葉ではなく計算された仕込みだったことを示す名台詞として語られます。
原作: 56巻File10 | アニメ: #491-504(2008-01-14〜05-19)
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71巻File3「ホームズの黙示録」
ロンドンでの連続殺人の謎解きよりも、蘭に鉢合わせてしまい泣きながら逃げる蘭の腕を掴んで新一が放つ間接告白「厄介なんだよオメーは!! オメーは厄介な事件なんだよ!余計な感情が入りまくって、たとえオレがホームズでも解くのは無理だろーぜ!好きな女の心を…正確に読み取るなんて事はな!!」が、シリーズ屈指の名場面として最も語られます。
原作: 71巻File3 | アニメ: #616-621(2011-05-21〜06-25)
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78巻File1「漆黒の特急[ミステリートレイン]」
安室透が世良真純に対し正体の一端を明かす「さすがヘル・エンジェルの娘さんだ…よく似てらっしゃる…初めまして…バーボン…これが僕のコードネームです」という自己紹介場面が最大の名場面です。「僕の日本から」という発言をコナンが手がかりにバーボンの正体を確信する推理シーンも並んで語られます。
原作: 78巻File1 | アニメ: #701-704(2013-07-13〜08-03)
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83巻File7「コナンと平次 恋の暗号」
和葉に絡む不審な男に対し、平次が思わず本音を叫ぶ「お前オレの…オレの和葉に何さらしとんじゃ!!!」が最大の名場面です。この通話をコナンがこっそり録音していたというオチも含め、複数ソースで一致して確認できる、確度の高いシーンです。
原作: 83巻File7 | アニメ: #763-764(2015-01-10〜01-17)
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84巻File9「緋色シリーズ」
バーボン(安室)と沖矢昴(赤井)の推理合戦・対決が最大の見せ場で、沖矢=赤井の正体がほぼ確定的に描かれる回として語られます。長年張られてきた伏線が一気に収束する、シリーズ屈指の情報量を誇る一幕です。
原作: 84巻File9 | アニメ: #779-783(2015-05-30〜06-27)
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94巻File8「紅の修学旅行」
一時的に薬で新一の姿に戻った状態で事件を解決した後、蘭への告白の返事としてキスをし、正式に交際が始まる場面が最大の名場面です。この回の代名詞的シーンとして、日本語版Wikipediaの当該項目でも取り上げられています。
原作: 94巻File8 | アニメ: #927-928(2019-01-05〜01-12)
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95巻File10「標的は警視庁交通部」
三池苗子がクロスボウの矢から千葉を庇って負傷し、それをきっかけに千葉が苗子を幼少期の少女だったと気づく場面が最大の名場面です。ラストで黒田管理官が安室に電話で「バーボン」と呼びかけ、温かい恋愛描写から一転して組織編の緊張感に切り替わる場面も併せて語られます。
原作: 95巻File10 | アニメ: #971-974(2020-03-07〜03-28)
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100巻File3「黒ずくめの謀略」
追い詰められたFBI捜査官キャメルが銃撃を受けるも、阿笠博士特製の偽血噴出ギミック帽子と赤井の正確な狙撃によって死亡を偽装する場面。そして直後、RUMの正体が脇田兼則であると、米花いろは寿司に何食わぬ顔で入っていく地味な演出で明かされる場面。対照的な2つの名場面が並んで語られます。
原作: 100巻File3 | アニメ: #1077-1079(2023-03-25〜04-08)
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106巻File6〜10「茜色の告白」(原作のみ、2024年発売)
浪速を舞台にした5話連続シリーズ。平次と和葉をモデルにした劇を観劇に来たコナン一行の中で殺人事件が発生する一方、平次は劇の舞台にもなった夕日の名所で和葉への告白を決意し、タイムリミット付きの告白ドラマが並行して進みます。最終話「茜色の千秋楽」で平次が告白に成功し、二人は正式に交際を始める、長年の伏線がついに解消された記念すべきアークです。まだアニメ化されていません。
原作: 106巻File6〜10 | アニメ: 未放送
まとめ
コナンの命名シーンから、灰原の葛藤、赤井秀一の狙撃、そして平次と和葉がついに結ばれた「茜色の告白」まで——1コマ・1セリフに込められた重みは、通して読み返すたびに新しい発見があります。
派手な事件解決の裏で、こうした名場面が積み重なってきたからこそ、このシリーズはここまで長く愛され続けているのだと思います。なお平次と和葉の告白については「服部平次と遠山和葉のラブコメセレクション」でも合わせて触れる予定です。