主題歌セレクション
『名探偵コナン』は放送30年近くにわたって数多くのアーティストが主題歌を手がけてきました。今回はその中から、個人的にお気に入りのオープニング・エンディング・劇場版主題歌を選んでみました。客観的な人気ランキングではなく、あくまで好みの色が強いセレクションです。
オープニングテーマ
OP4「運命のルーレット廻して」ZARD
ZARD初のコナンタイアップ曲で、当初9月9日発売予定だったところをミックスの完成度にこだわって9月17日に発売を遅らせたという逸話が残っています。90年代コナンの黄金期を彩った一曲として長く愛され、2023年のファン投票でも歴代OP人気ランキング2位に選ばれるなど、今でも根強い支持を集めています。
OP7「Mysterious Eyes」GARNET CROW
GARNET CROWのデビューシングルの一つで、テレビタイアップの効果もあってオリコン20位のヒットとなりました。澄んだ歌声とポップな洗練さが同グループの代表曲の一つとして今なお名前が挙がる、コナンOPの中でも屈指の知名度を誇る楽曲です。
OP24「Mysterious」Naifu
2008年10月からのOP変更時に大きな注目を集めた一曲です。ハードながら流れるようなドライブ感とトリッキーなアレンジが特徴で、ロック好きのリスナーからも支持を得た、Naifuにとって代表的なヒット曲になりました。
OP25「Revive」倉木麻衣
倉木麻衣にとってコナンとの26作目のコラボレーションとなった曲です。同氏はコナンへの主題歌提供数の多さで「同一アニメシリーズへの最多主題歌提供者」としてギネス世界記録に認定されており、この曲もその長年のコラボレーションの積み重ねの中の一曲です。
OP27「MAGIC」愛内里菜
音楽と愛への率直な気持ちを歌ったメロウな一曲です。柔らかい曲調とサビのリズム感の良さがファンから支持されており、歴代コナンOP人気ランキングでも上位に名前が挙がる楽曲です。
OP28「As the Dew」GARNET CROW
GARNET CROWのコナンタイアップの中では唯一シングルカットされず、アルバム曲として提供された珍しい一曲です。前半は雨の日の景色を繊細に描く気だるい空気、後半は力強い高音で芯の強さをにじませる構成になっており、児童向けアニメの主題歌にしては歌詞が大人びていると評されています。
OP34「君の涙にこんなに恋してる」なついろ
なついろのデビューシングルとして起用された一曲です。なめらかで落ち着いた曲調が特徴で、「新一と蘭の関係みたいな切なさが伝わってくる」というファンの感想も見られる、静かな余韻を残すOPです。
OP39「DYNAMITE」倉木麻衣
「Wake me upで心を呼び覚まし、Invincible Heartで最強にして、最後にDYNAMITEで爆発させたかった」という倉木麻衣本人のコメントが残る一曲です。20周年記念スペシャル「江戸川コナン失踪事件」とのダブルタイアップでもあり、蘭の表情を見つめるコナンの映像も印象的だと語られています。
OP43「世界はあなたの色になる」B’z
劇場版「純黒の悪夢」主題歌とのダブルタイアップ曲です。B’zは劇場版・OP・EDを合わせるとコナン主題歌への提供数が12曲に上る常連アーティストで、この曲の起用を喜ぶファンの声も多く見られました。
OP46「Everything OK!!」Cellchrome
名古屋出身のロックバンドCellchromeによる一曲で、前進していく力強さとサビの高音が印象的なポップチューンです。ボーカルのMizkiは幼い頃からのコナンファンで、自身の楽曲が主題歌に起用されたことに家族共々喜んだと語っています。
OP51「真っ赤なLip」WANDS
20年ぶりに再結成したWANDSの復帰シングルです。OP映像では2000年以来20年ぶりにコナンがダンスを披露し、原作の名シーンを背景にクールに踊る演出が話題になりました。放送1000回記念の「The Best of OPED」投票企画では、倉木麻衣「Secret of my heart」や小松未歩「謎」といった歴代の人気曲を抑えて1位に選ばれています。
OP52「JUST BELIEVE YOU」all at once
かつてEDとして使われた「Secret of my heart」のフレーズをサンプリングし、20年越しにOPとEDをつなげた一曲です。歌詞は倉木麻衣が初めて他アーティストへ提供したもので、新一と蘭の関係の「原点」から「進化」を描いていると評されています。
OP60「Poker Face」あみゅり
現行のオープニングテーマです。あみゅりにとって新たな挑戦となる一曲で、放送開始とともにコナンOPの最新章を飾っています。
エンディングテーマ
ED3「光と影のロマン」宇徳敬子
大人になった女性が過去を振り返るような歌詞世界が特徴の一曲です。ロマンという言葉にどこかレトロな味わいを感じつつ、自分の人生と重ねてしまうという感想も多く、今でも「名曲」として語り継がれています。
ED10「夏の幻」GARNET CROW
GARNET CROWのシングルの中でも歴代4位のロングセラーを記録した一曲です。夏の終わりを思わせる儚さと中村由利の伸びやかな歌声が心地よく、イントロの衝撃を語るファンの声や、エンディング映像でのコナン・蘭の寂しげな表情との相性の良さも評価されています。
ED24「悲しいほど貴方が好き」ZARD
放送10周年を記念して起用されたED曲です。メロウで穏やかな曲調ながら、アニメタイアップとは思えない大人びた切なさを湛えていると評されており、ZARDのコナン楽曲の中でも印象深い一曲として名前が挙がります。
ED28「世界はまわると言うけれど」GARNET CROW
「世界は回っているけれど、自分の中には自分だけの世界がある」というテーマを歌った一曲です。ダークで洗練された雰囲気とGARNET CROWらしいラテン風味のメロディが組み合わさった、シリーズの中でもやや異色の一曲です。
ED41「悲しいほど 今日の夕陽 きれいだね」grram
北欧神話の剣「グラム」とコンピューターの「RAM」から名前を取ったという4人組バンドgrramのデビュー曲です。タイトルの通り、夕陽の切なさをテーマにした一曲になっています。
ED45「君の笑顔がなによりも好きだった」Chicago Poodle
Chicago Poodleが手がけたコナンEDです。過去形のタイトルが示す通り、失われた笑顔への未練を歌った、しっとりとした余韻の残る楽曲です。
ED58「Aozolighter」Cellchrome
新一と蘭、友達以上恋人未満のもどかしさをテーマにした一曲です。青空の下、離れていてもすれ違わずにいたいという想いをミディアムバラードに乗せており、Mizkiの高音が映えるMVも爽やかだと評されています。
ED62「星合」all at once
七夕をテーマにしたミディアムバラードで、チームラボプラネッツ TOKYOとのコラボレーションによる幻想的なMVも話題になりました。Spotifyの「Japan Viral Top 50」にランクインするなど、コナン人気とともに評価が広がった一曲です。
ED75「7 DAYS」Rainy。
現行のエンディングテーマです。会いたいのに会えないもどかしさを曜日になぞらえ、カントリー調の軽やかなサウンドに乗せた一曲で、アーティスト本人も「エンディング映像と曲がマッチしすぎて興奮した」とコメントしています。
劇場版主題歌
第7弾「迷宮の十字路[クロスロード]」/「Time after time〜花舞う街で〜」倉木麻衣
京都を舞台にした劇場版らしい、和の情緒を感じさせる一曲です。倉木麻衣自身が作詞を手がけ、劇場版の世界観に寄り添った楽曲になっています。
第11弾「紺碧の棺[ジョリー・ロジャー]」/「七つの海を渡る風のように」愛内里菜&三枝夕夏
愛内里菜と三枝夕夏は10年前のテレビ版OP「100もの扉」で既に共演しており、その再タッグとなった一曲です。三枝夕夏がボーカル参加するシングルとしては当時最大の売り上げを記録しました。
第13弾「漆黒の追跡者[チェイサー]」/「PUZZLE」倉木麻衣
倉木麻衣自身が作詞を手がけたクールなダンスナンバーです。緊迫感のあるチェイサー編の空気にマッチした疾走感のある一曲になっています。
第14弾「天空の難破船[ロスト・シップ]」/「Over Drive」GARNET CROW
GARNET CROWにとって劇場版主題歌は本作が初めてでした。ボーカルの中村由利は「飛行船が青空へ上昇していく光景と、蘭の『もっと側にいたい』という想いを重ねた」と楽曲コンセプトを語っており、オリコン週間シングルチャートでも上位にランクインしました。
第19弾「業火の向日葵」/「オー!リバル」ポルノグラフィティ
コナンと怪盗キッドの対決をイメージし、フランス語・スペイン語で「ライバル」を意味する「リバル」をタイトルに冠した書き下ろし曲です。劇中の重要アイテム「ゴッホの向日葵」の背景にあるヨーロッパの空気を表現できるアーティストとして、プロデューサー自ら抜擢したというエピソードが残っています。
第20弾「純黒の悪夢[ナイトメア]」/「世界はあなたの色になる」B’z
TVアニメOP43と同じくB’zが手がけた一曲で、劇場版とTVシリーズをまたいだダブルタイアップとなりました。安室透(降谷零)の物語が本格化する劇場版の空気に合った、疾走感のある楽曲です。
第21弾「から紅の恋歌[ラブレター]」/「渡月橋〜君 想ふ〜」倉木麻衣
倉木麻衣にとってコナンとのコラボレーションが通算21作目に達し、同一アニメへの最多主題歌提供としてギネス世界記録の申請にもつながった記念碑的な一曲です。「から紅に染まる渡月橋」から始まるサビと和楽器を取り入れたアレンジが、京都・嵐山を舞台にした劇場版の世界観と重なります。
第26弾「黒鉄の魚影[サブマリン]」/「美しい鰭」スピッツ
スピッツのボーカル草野マサムネが「コナンはミステリーである以前に壮大なラブストーリー」と捉え、「切ない恋の物語にもハラハラな活劇にも寄り添えるイメージ」で書き下ろした一曲です。軽快なメロディの裏に灰原哀を思わせる歌詞が仕込まれており、劇場公開時にはエンドロールで涙する観客が続出したと話題になりました。
まとめ
こうして並べてみると、GARNET CROWや倉木麻衣、B’zといった常連アーティストの楽曲が多く残る一方で、ZARDやポルノグラフィティ、スピッツなど一曲だけでも強い印象を残したアーティストも並びました。主題歌はその時々の作品の空気を色濃く反映するので、聴き返すだけで当時の話数や事件を思い出せるのも『名探偵コナン』の主題歌ならではの楽しみ方です。
次回は劇場版の青山先生が書いた原画セレクションをお届けする予定です。あわせてお楽しみください。